2021/02/27

冬季別寒辺牛湿原縦断のまとめ

 5年前の2016年と比較してみます。

これが5年前の様子。べカンベウシ川は全面的に凍結しており、上を歩けました。


そしてこれが今回の様子。川は全く凍っておらず、とうとうと流れています。


これが5年前の私が測定した気温です。最低気温は-25度に達しています。


そしてこれが今回の気温です。最低気温は-8度ほどです。


本来データとして気温の変化を捉えるには毎日毎年連続して測定する必要がありますが、また、最も氷が厚く張っているだろうと言われている2月中旬を挟んで5年前と今回とでは前後に一週間ほどずれていますが、今回はあえてそれらを無視して、今回はこうであったという報告としたいと思います。サイエンスとしては温暖化との関わりを語れるものではありませんが、一個人としては、世界的に温暖化が進んでいるのは事実であり、北極点に行きたくても氷が張らないために行けなくなるのと同様に、湿原を徒歩で縦断したくてももう出来なくなるのかと思うと、とても寂しい思いがします。

非常事態宣言が解けたら、ハローハッピーで報告会をしたいと思います。

2021/02/19

暖かい-7度




 一杯やりたくなるような話です。

暖か過ぎる。

五年前の最低気温は氷点下25度であったのに、昨夜は……氷点下7度。そして僕がここに入る前の一昨日には、満ち潮と重なって数棟が床上浸水するほどの、大雨が降っていた。

それらの影響だろう、別寒辺牛(べカンベウシ)川はまったく凍っておらず、トウトウと水が流れている。川岸の湿地帯には水と雪が溜まり、深いシャーベット状で、川面に近づくことすらできない(だから写真も取れない)。川が全く凍結していないという事は、どれだけ回り道をしてみたところで別寒辺牛川本流に流れ込んでいる支流を歩いて横断することはできず、湿原縦断は完全に断念せざるを得ない……という結論です。

しかしこれもまた、地球の温暖化の観察というあらかじめ設定した目的を達成しているので、進めずとも意義はあり。

でもまあ残念だね。

地熱発電あるでしょ、と思うよ。客観的に。日本はその技術を輸出するぐらい持っているし、その熱資源も世界有数。ちょっと気合い入れりゃ、全電力に近い量は安定供給できるのでは。政治的問題だけだよ、ねえ、と思うがね。

丹頂鶴が、コウッッコウッッ、と一日中鳴いている。

氷のバキンバキンとう鋭い音がいたる所から絶え間なく届き、お前は湿原という空間の中に寝泊まりしているのだと語りかけてくる。

2021/02/18

さあ湿原へ

丹頂鶴が鳴いている。林野庁に連絡を入れ、さあ湿原へ。



2021/02/12

べカンベウシ湿原 徒歩単独縦断


 べカンベウシ湿原とは、日本で第二位の広さを誇りラムサール条約に登録されている、北海道厚岸町に広がる湿原です。その中央をにはべカンベウシ川がうねりながら流れています。

そのべカンベウシ湿原を2月中旬から、単独テントで8日ほど野営しながら、凍結したべカンベウシ川の上や岸を歩いて縦断します。

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I will walk solo in the frozen wetland for around 8 days in the mid February. Wetlands, it’s a barometer for Earth’s health. It’s the untouched nature.

いつもはカヌーでしか入ることのできない、100%の手付かずな自然がそこにあります。白銀に覆われた広大な大地がそこにあります。

今から5年前にも同じことをしました。そのとき寒暖の差は最大30度、最低気温は-25度まで下がり、手足に軽い凍傷を感じる程でありましたが、今年はどのような状況でしょうか。とても関心があります。前回同様に、雪に覆われた白い広大な湿原と、硬く透明な氷と化した川の道があるのでしょうか。それとも温暖化の影響で充分な氷が形成されず、川の上を歩くことは出来ないのでしょうか。

湿原は、週末に出かける山とは異なり馴染みが薄いかも知れませんが、自然環境の中でとても重要な位置を占めており、環境破壊のバロメーターでもあります。

いま世界各国が追い詰められ真剣に取り組み始めたグリーン政策の、その具体的な対象、それはアマゾンの熱帯雨林であり、南極の氷床であり、シベリアの永久凍土であり、そして湿原です。

大学や団体等で、遠征終了後の報告をご要望であれば、ご連絡ください。