2012/05/10

ザ・ケネウィックマン・エクスペディション、39日目


ここは風の谷、コロンビア渓谷の真っ只中。今日も西から吹く強い向風が止むのを待つ。



ツリーハウスがそのまま小さな町になったようなモジャー。白銀に包まれ、浮き上がるような明るい森を広い裾野に育むフッド山の麓に、静かにたたずみコロンビア川を見下ろしている。その小さな町に一軒だけあるコーヒーショップで、アイリーンと巡り合った。

友人のリサと共に、カヤックを公園から彼女の家まで運んでくれる。テラスからコロンビア渓谷が見下ろせる、新築したばかりのゲストハウスを僕にあてがい、好きなだけ滞在していいと言ってくれる。オーガニックでおいしい食事を作ってくれる。そして風呂好きな日本人をよく理解している彼女は、庭に作られた風呂を用意してくれる。この旅でまさか入れるとは思っていなかった風呂に浸かると、体の芯まで溶けていった。

日本も含めて世界各地のアウトドア業界で活躍し、人と地球に対する愛に満ち溢れた彼女は、何ということだろう、今日知り合ったばかりの僕にも大きな愛情を注いでくれている。