もしこの世界にたった一人で生まれ出たのなら
何一つ裸の体に飾りたいと思うものはないだろう
あの人より大きな家に住みたいという想念の種すらなく
あの人よりお金持ちになりたいという想念の種すらなく
あの人より足が早くなりたいという想念の種すらなく
あの人より理知的でありたいという想念の種すらなく
あの人より素敵になりたいという想念の種すらなく
あの人より個性的でありたいという想念の種すらなく
あの人より幸せでありたいという想念の種すらなく
ただただ世界の不思議を観察し
ただただ心から浮かび出でて自らのエネルギーで回り続ける遊びに戯れ
頭にひっついている何のために生えているのだろうと不思議に思えるそのユニークな形をした角を
夢中になって遊びに使い
磨き続けることだろう