2020/09/28
釧路湿原を見渡す細岡展望台
2020/09/27
川は蛇行していて初めて生態系の一部
釧路川。この川はカヌーをやり初めてから、たしか二番目に下った川。だから原点の川でもある。そしてその当時と変化した所が一つあった。湿原領域で人為的に流れを直線化されていた区間があったが、その半分が、ただの沼と化していた旧河川へと繋ぎ戻され、蛇行を取り戻していた。
「蛇行」しているのが川である。コンクリートで囲まれていても囲まれていなくても、蛇行していない川はもはや川ではない。日本の多くの川は川ではない。蛇行していて初めて生態系の一部なのである。大袈裟な環境活動家の発言に聞こえるかもしれないが、蛇行したまま手付かずでいる川に一度入ってみれば、そこで繰り広げられる生命活動の違いに大いに驚くことだろう。
蛇行していて洪水が発生するから、洪水は異常事態だから直線化した。それはまるで、人間は汗をかいて初めて生理機能を維持できるのに、汗をかかれると肌に住みついている我々にとっては洪水となって困るから、全身をプラスチックでコーティングしてみた、というようなものである。死んでしまうのだ。
だからといって人類は平野部から撤退し山間部へ移動するわけにもいかない。大きな目で見れば人間も他の生物となんら変わらず、組み込まれたDNAに従って平野に繁殖しただけだ。善も悪もない。このままでは繁殖し過ぎて生態系のバランスを完全に崩し絶滅するかもしれないが、それとて他の種が繁殖と絶滅を繰り返す歴史とあまり変わらないことであり、力強い生命体はまた何億年とかけて、生き残ったDNAから新たな高等生命体へと進化するだろう。もう二度と飛行機にも車にも乗らない、暖房も冷房も使わない、というわけにはいかない。そう考えた途端、自己矛盾、己のDNAとの自己矛盾に陥る。
せめて今できることは、その進化して新たに獲得した脳組織を使って、いま何が起きているのかしっかりと理解することだ。進化の過程の中にいる人間としての自分が何をしているのか、取り敢えず良い悪いという概念に嵌めてみるのではなく、ちゃんと把握しながら、一生命体として生存活動を続けなければならない。全ての個人がその共通認識を持てれば、人類全体が変わっていく。私はそう考えている。
2020/09/26
珈琲だけではない。カヌーはビールも楽しめます!
珈琲だけではない。カヌーはビールも楽しめます!(やった!という声がチラホラ聞こえてくる 笑)
缶ビールを飲ながら、お菓子を食べながら、まったく漕がずに、ただただ水に流されて、ゆっくりと移りゆく景色を楽しみます。
登山は、自分自身の限界にチャレンジする、すなわち自分自身に集中する、という愉しみが80%、そして自然を観察する、ようは自然に集中する、という愉しみが残り20%のような気がしますが、カヌーはそれとは逆に、自然に溶け込みそれに集中するのが80%であり、自分自身に集中するのが20%、という気がします。どちらも我々にとっての喜びになるので、自分はこちらの方が好きだという好みに合わせて、もしくは両方でも。
漕がずにただ流されると(倒木に引っかからないように軌道修正はしますが)、ビールと時間と景色を楽しめるというだけではなく、カヤックやパドルの動きと音が消えて水上に浮かぶ流木のようになれるので、岸辺にいる野生動物に気づかれるのが遅くなり、彼らにより近づける、という利点もあります。
今日はまず、まだうまく飛べない幼鳥と思われる雁に出会いました。親らしきつがいが上空を旋回しながら待っていることや、雛や卵を守る為の怪我をしている演技にしてはリアルすぎるので、幼鳥なのではと思います。
そして5〜6羽のオジロワシ。つがいの一方は白い尾を光らせて飛びたち、一方はカヌーが最接近しても飛び立たない、というパターンが多かった。
そして無数のカワセミですが、僕の中では発見がありました。一羽がホバリングしているのです。それも何度も。そんな姿を目撃したのは初めてでした。それができるのはハミングバードだけかと思っていた。その状態からでも魚を狙ってダイブして捕まえられるのかな?
2020/09/25
釧路川でウミアック
釧路湿原を流れる釧路川でウミアック。標茶から細岡までの約30キロ(釧路川の下流側1/3で湿原地帯)を、7時間半かけてのんびりと下る。
つがいの丹頂鶴とその雛に出くわした。雛はまだ上半身が茶色だ。そのほかにもカワセミ、ヤマセミがいる。
水に浮き夏から秋へと流れる景色を静かに楽しむ。
2020/09/22
2020/09/20
十勝岳でウミアック
十勝岳でウミアック!
上富良野岳からの縦走コースをとったが、稜線上でたぶん風速15メートル強ほどあり、立っては歩けず屈み込みながらステップを小さくして進まなければならない箇所が頻繁にあり、場所によっては切り立った稜線下への滑落が怖い。風は冷たく下界でいう冬で、暖かいインナーとレインウェアと手袋が必要。
行程の殆どは稜線上で、そこは吹き抜ける雲の中で視界は全くないものの、山頂の岩陰で風を避け珈琲をドリップして飲むと、体も心もホッと一息、そして達成感。美味しいね。
2020/09/18
大雪山緑岳に登る
紅葉が始まったばかりの大雪山緑岳。緑岳の登山口となる高原温泉へ向かう林道の紅葉時マイカー規制は、明後日の18日から始まる。
ここの山頂直下の岩場にはナキウサギが住んでおり鳴き声が時折聞こえてくるが、岩の隙間に隠れてその姿はなかなか見せてくれず。
天気に恵まれた今日は、同じ大雪山の旭岳や白雲岳の姿を眺めることができた。トムラウシ山へと続く稜線には雪渓が残る。
第二花畑で珈琲を飲んだのだが、春にここを訪ねれば名前のとおり高山植物の花が咲き乱れているのだろうし、あと一週間遅く来れば紅葉に染まっているのだろうなー。
2020/09/13
利尻山で珈琲を飲んできた
利尻山で珈琲を飲んできた。
カヌー屋であり山屋でないのであまりよく分かってはいないが、たぶん山をやっている人の間で憧れの的とは、カムイエクウチカウシ、大雪山縦走、そして利尻山なのだろう。たぶん。なぜ利尻山がそうなのかというと、360度ぐるりと海に囲まれた山はここしかないのである。実際今回は天候に恵まれたため、どちらを向いても真下に海が見え、標高が高いこともありまーるい地球が見える。礼文島と本土北海道がハッキリと見え、一部どこからが海でどこからが空なのかはっきりと分からない方向もあった。礼文島と私がいるこの山が宙に浮いているように錯覚する時もある。
東京に住んでいる皆には想像がつかないだろうが、風速10メートルの風は冷たく、ダウンジャケットを着ていても寒さで手がかじかみうまく動かせなかった。海に浮かぶ単独峰はまた厳しい自然環境でもあるのである。
海から山だけが突き出ている島であるため、フェリーの着く海抜0メートルの港から1,721メートルの山頂まで自分の足で登る。いわゆるシー•トゥー•サミットを始めてやった。
俺の今までの経験の中では、一番はカムイエクウチカウシ、二番は北岳のバットレス、三番はこの利尻山かなぁ。
2020/09/10
大雪山のその他の写真
大雪山のその他の写真です。
一泊二日のテント泊で両日ともに雨が降り続け、視界の効かず人気のない静かな稜線を、濡れて冷える体を黙々と動かしながら歩き続けたが、それでも大雪山の広々とした天界の素晴らしさを垣間見ました。雨に濡れた高山植物と岩々の美しさよ。
初日の夜に潜り込んだ雨を遮るテントと、下山してから入った温泉が暖かかったです。
一日目:
高原温泉4:27==緑岳山頂6:59==北海岳山頂10:05==旭岳山頂12:25==間宮岳山頂13:55==北鎮岳山頂15:33==黒岳石室16:50(テント泊)
二日目:
黒岳石室5:20==黒岳山頂5:48==黒岳石室6:44==北海岳8:32==高原温泉14:22