Although it is a story of the last year, I have gotten the 10 years B-2 visitor visa of United States. Surprisingly, I could get it in just one apply to U.S. embassy in Japan. I was impressed that U.S. has a broad-mindedness for a kind of adventures.
10年有効な米国B-2観光ビザをアメリカ大使館に発給してもらっている。通常日本人がアメリカを観光する場合にはビザ免除プログラムで3か月まで入国できるのでそのようなものは必要ないのだが、来年春から予定しているカヌー遠征「オリンピア―東京」はその3か月間を超え、またそもそもが海上の国境をカヌーで越えての入出国には適応されないのである。
B-2観光ビザの取得方法を事前に散々調べたが、3か月もあれば十分観光には事足りるということで、ビザ免除プログラムが適用されている国に対してはよほどの理由がない限り発給されない、というような内容ばかりであった(アメリカ政府のドキュメントには単に申請できるとしか書かれていない)。またイギリスからからアメリカ・カナダへ渡ったカヌー遠征隊の手記には、海からアメリカに入国するためのスペシャルビザを在英国アメリカ大使館でとるためにとても苦労した、と綴られている。したがって提出書類の準備には相当の時間を割き、とくに遠征計画書は入念に書き上げたものの、何度も粘り強く大使館に通い続ける必要性と、最悪それでも発給されずビザ免除プログラムすら失うことを覚悟したうえで赤坂のアメリカ大使館に出かけたのである。
爆弾を積んで突入するテロの車を阻止するためであろう厳重なゲートの設備に威圧を感じながら、陽光射すアメリカ大使館前の歩道で1時間ほど様々な国籍の人々とともに列をなして入館のセキュリティーチェックを待つ。さらに大使館内で1時間ほど面接の順番を待つ。先に受けている人々を眺めていると、アメリカ大使館員が流暢な日本語で面接をしている様子も見受けられる。
さてとうとう僕の名前が呼ばれ、何を質問されるのかまったく分からないため気合の入れようもなく面接ブースへと歩いて行った。大柄な女性か100kgぐらいある背の高い男性かと無意識に想像していたが、アジア系で小柄な30代前半ぐらいの端正な女性だったので少々驚く。いかにも彼女はすらすらと日本語が話せそうであったので、仔細な話を英語ですることを避けるためにあいさつを交わした際に面接は日本語でよいかと尋ねてみたが、英語もろくに話せないようであれば彼女があらかじめ目を通していた遠征計画書の実行など到底無理だと考えたのか、出来る限り英語で話すようにと言われる。
アメリカ訪問の目的、予算は誰が出すのか、現在の仕事および帰国してからの仕事はどうするかなどの一通りの質問に、なるべく丁寧に誤魔化すことなく話していく。10分ほど経過したであろうか、さらりと何かを彼女に言われて一枚の紙を渡される。まさか一発で面接が通るとは思いもしなかったので彼女の言葉を理解するのに数秒かかり、やっと呑み込め呆然としながらブースを立ち去ろうとしたが、はっと我に返ると彼女に笑顔とアリガトウの言葉を返した。
実際の大使館事情を把握することは無理ではあるものの、感想を一言で述べれば、「さすがチャレンジ精神を称えるアメリカだなぁ」、となる。