今夜のホテルはここ、池のよこホテル。空き家の庭。テントの入口を開ければ、湧水が今でも流れ込んでいる小さな池があり、住人のカエルがたまにケロロッと鳴いてくれる。単線のローカル線も入り口から見えて、デーゼルがゴゴゴとのんびり通過する。
山形の雪が四メートル積もる山間の小さな村落。テント張る許可もらいに村人を訪ね歩いて、家々を三件回り、田舎の住人と触れ合い、ついでにペットボトル飲料までもらった。鶴瓶の日本に乾杯みたい。
歩き旅って、古の頃とは違うので、寝る場所の確保が一番大変。もし全泊宿とリッチにいきたくても、宿場町なんてもうないから足で動ける距離の範囲に都合よく宿なんてあるわけない。テントを張る河原や車の通らない林道の廃道なんかが見つからなくて、仕方なしに公園にテントを張ったりすると、警官や市役所の人間が駆けつけてきて、規則は規則とお堅いので、ここは禁止ですと追い出される。アメリカだと、「俺はお前に会ってないし、当然話してないよ」と柔らかく、警官であっても場所を探してくれて、もしなんかあったら連絡しなさいと電話番号までくれる。
だから今夜はなんの心配もなくて、とてもリラックス。ケロロのカエルと一緒にリラックス。下がアスファルトじゃないので、ペグも打てて、雨対策もできる。
人間ってじつに不思議な生き物で、身体中痛くて三十分歩くのも辛いのに、わずかな人との触れ合いで、急に元気を取り戻す。孤高の雄ライオンに比べればなんとも頼りない存在ではあるが、それでもやっぱり、鶴瓶の人間に乾杯なのだね。
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