雪虫

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accum. distance [Km]: 340.1

地元の方々がとても優しい。昨夜はかなり冷え込んだので、前日に泊まったキャンプ
場の女性が、僕のことが心配になって、わざわざ連絡をしてくれた。今夜は、スー
パーで公園のある場所を教えてくれた女性が、はたして道が分かったのだろうかと、
わざわざ車で後を追ってくれた。歩き始めてからというものの、老若男女問わず、皆
心優しい。そのような心の暖かさが、いつも次の一歩を踏み出す元気を与えてくれ
る。


ここ数日、雪虫が舞っている。たった一日だけのはかない命で、雪が降り始めること
を伝えてくれるという。数ミリの小さな体に、真っ白い真綿のような蝋をまとい、ふ
わふわと集団で空中を飛ぶ様子が、軽く小さな乾いた雪のようである。

手でそっと掴んでみる。その小さな体を、目を凝らしてよくみてみると、たしかに、
真綿のような、綿あめのようなものを体に纏っている。恋の装いなのだろうか。

雪虫の存在に気付けるのは、車でもバイクでも自転車でもなく、その土地を感じなが
らゆっくりと移動する、徒歩だからこその喜びである。