2015/11/09

高麗川遊歩道工事、時代とのギャップ

 埼玉県の高麗川で、遊歩道の大規模な建設工事が始まろうとしています。

 先月、北海道の別寒辺牛(ベカンベウシ)川をカヌーで下ってきました。映像の最後を見てください。『倒木が川を塞いで』おり、カヌーは通れません。
 これが川本来の姿です。この状態でなければ、生態系は維持されません。


 この状態にまで自然を戻そう、という極論を述べたいのではありません。川の生態系というものを理解するためです。

 高麗川と別寒辺牛川では地理的条件が異なりますが、ここから生態系を学習することに無理はありません。

 高麗川に、観光目的のコンクリートで固められた遊歩道を造れば、何が起きるでしょうか。
 生態系にとどまりません。水までも臭くなります。

 この川が流れる湿地は、ラムサール条約で保護されています。ラムサール条約の目的をご存知でしょうか。『動植物の保護』ではありません。湿地の『賢明な利用』です。生態系を維持しつつ、『そこから得られる恵みを人間が持続的に活用』することです。

 ラムサール条約の発効は1975年。日高市と埼玉県は、『世界の流れから40年も遅れた政治をしている』と言えるのではないでしょうか。

 日高市は、「カワセミの生息する清流高麗川」をうたい文句としているのですが、みずから壊れていかないことを願います。 

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