2021/10/22

創造/アラスカの大地とユーコン川/Alaska and Yukon


 

創造

アラスカ原野の奥深くへとユーコン川にカヤックを浮かべ独り分け入る/研ぎ澄まされる感覚と知覚を超える認識/人間の創造性とは何か

アラスカは地球から葬り去られようとしている原野が未だ残っている数少ない最果ての地である。その手付かずの大地を旅できる唯一の道がユーコン川であり、数ヶ月ものあいだカヤックを漕ぎ続けなければならない。そこで体験するのは、都市生活とはあまりにもかけ離れた異次元の世界。そこは人間の奥底に眠る鋭い動物の感覚が目覚める世界であり、そこは時間と空間の概念、相対的な感覚、相対的な意識を問われる世界である。人類に求められた仕事としての創造を考える。


▶︎チャプターリスト

オープニングムービー

【第一章 原野のユーコン川】

1-1) 導入

1-2) ユーコン川の位置

1-3) アラスカと日本の面積を比較

1-4) カヤックで移動した軌跡

1-5) アラスカの原野を日本の天然林と比較

1-6) ベネット湖/ユーコン川の源流

1-7) ユーコンフラット/ユーコン川の中流域

1-6) ユーコン川のフライトビュー

1-8) 世界は地平線だけで囲まれている

1-9) 川の中を川が流れている

【第二章 インプットとアウトプット】

2-1) 経験が創造を生む

2-2) 動物脳と人間脳

【第三章 貴方と貴方の体が知らない世界】

3-1) 体と脳は今だに原野で生きている

3-2) 蘇る繊細な感覚

3-3) 原野での経験

3-4) 誰もが秘める繊細な感覚

3-5) 科学の枠組みの中で考え体験する

【第四章 知覚を超えた認識】

4-1) 遥かに肥大化した脳組織/前頭前皮質

4-2) 一日の無い世界

4-3) 地平線しか無い世界

4-4) 時空の概念が失われた世界

4-5) 相対的な感覚、相対的な意識

4-6) 当たり前の世界に隠れる不思議を見出す

4-7) 創造、それが人類に求められた仕事

エンドロール


 この映像制作のきっかけはコロナ・パンデミックでした。多摩美術大学でも感染対策として遠隔授業となり、講堂に会した200〜300人ほどの生徒の面前での講義だったのが、それとは対照的な大学から生徒個人宅へのネットワーク経由での映像配信による授業になったのです。高橋教授の依頼で急遽授業中に使っていた映像とスライドを纏めて一本の動画へと仕立て上げ授業は成立したものの、ベースがあくまでも静止画や文字も含まれたスライドであるため、映像としての完成度は低いものでした。授業としての評価は決して低いものではなかったものの、映像として捉えると私個人としてはとても満足のいくものではなかったため、相当な労力を必要とすることはあらかじめ分かっていたものの、意を決して、より良い作品を作るという意気込みで一から作り直すことにしたのです。

 アラスカでのカヌーの冒険、そして写真展と講演、それから明治大学と多摩美術大学での講演や授業、そしてこの映像作成という経験を経ていますので、いくら身振り手振りで話してもやはり想像するのが難しいアラスカという異国の、原野という全く異なる環境で体験する世界を、映像という武器を使って如何に分かりやすく表現しきるかということに尽力しました。

 丸々数ヶ月もの時間を消費しました。映像を繋ぎ合わせる程度の編集はしたことがあるのですが、ここまで手の込んだ編集はしたことがありませんでした。エンターテイメントの作品ではないので、語りや小難しい話が主体です。映像の利点を活かして、静止画を使っても説明が難しい事をいかに短い時間でいかに直観的に理解させるか、また小難しい話の連続となってもいかに退屈させず好奇心を維持するか、ということを念頭に置いて、さまざまな工夫を凝らしました。しかしながら4K 60 FPSの映像編集は高負荷で、アイデアは浮かんでくるもののそれを試すのを躊躇うほどの大変さであり、数ヶ月もの間部屋に篭りっきりの苦痛の作業でもありました。

 講演や写真展がバージョン1.0、スライドによる授業がバージョン2.0とすると、この映像はバージョン3.0になります。それでもまだ現地に実際に連れて行き共に体験することを想像すればそれはきっとバージョン10.0ぐらいでしょうから、それは遠い道のりですが、それでも3.0という進化を楽しんでいます。

 現地の様子をより良く伝えるために高解像度の地図を映像に取り入れるなどの工夫をしているので、できるならば4Kで、それでなくてもなるべく高解像度で見る事をお勧めします。


▶︎日本語字幕

00:02:23,685 --> 00:02:30,380

第一章として「原野のユーコン川」というテーマで話を進めます

00:02:30,380 --> 00:02:38,214

カナダのブリティッシュコロンビアから国境を越えアラスカへ、広大な原野を流れている川があります

00:02:38,214 --> 00:02:40,693

ユーコン川です

00:02:40,693 --> 00:02:49,605

私はその川の源流から河口近くのグレイリングまで、独りカヤックを漕ぎ2,700キロを縦断しました

00:02:49,745 --> 00:02:55,036

そのような原野の中での体験を軸にしてこの話は進みます

00:02:59,369 --> 00:03:02,715

ユーコン側の位置を説明します

00:03:02,747 --> 00:03:05,286

これが日本

00:03:11,962 --> 00:03:18,000

太平洋を越えて、北米西海岸にあります

00:03:20,971 --> 00:03:37,214

ユーコン川の源流はカナダ・ブリティッシュコロンビア州にあり、カナダ・ユーコン準州へと流れ込み、国境を越えてアメリカ合衆国・アラスカ州へと流れ込みます

00:03:39,081 --> 00:03:43,864

アラスカと日本の面積を比較してみましょう

00:03:44,190 --> 00:03:49,990

アラスカに日本を重ねるとこうなります

00:03:50,889 --> 00:03:54,924

アラスカの面積の方が広い事が分かります

00:03:55,255 --> 00:04:00,187

アラスカの面積は日本の面積の4倍あります

00:04:03,169 --> 00:04:08,251

この赤いラインは私がカヤックで移動した実際の軌跡です

00:04:08,252 --> 00:04:12,299

三ヶ月かけて2,700キロを漕ぎました

00:04:12,493 --> 00:04:21,016

距離感を見るためにその軌跡を日本で伸ばしてみると、宗谷岬から宮古島に達します

00:04:24,869 --> 00:04:29,592

ここで述べている原野とはどのような物でしょうか

00:04:29,592 --> 00:04:38,953

日本とアラスカを上空から同じ高度と同じ速度で比較して、アラスカの原野の様子を見てみます

00:04:40,266 --> 00:04:42,625

まずは日本の上空です

00:04:42,626 --> 00:04:45,284

高度七万七千メートル

00:04:45,285 --> 00:04:49,469

旅客機が飛行する高さの約8倍です

00:04:50,177 --> 00:04:51,997

今九州の上空

00:04:51,998 --> 00:04:54,776

左下に福岡が見えます

00:04:56,004 --> 00:04:59,710

都市や田畑が占める面積に注目して下さい

00:04:59,842 --> 00:05:06,346

杉や檜などの植林地ではない天然の森はピンク色で覆っています

00:05:06,346 --> 00:05:11,080

細かく分断されているのが分かります

00:05:11,081 --> 00:05:15,380

前方に大阪が見えてきました

00:05:16,519 --> 00:05:18,705

そして前方に名古屋

00:05:18,706 --> 00:05:23,098

右側に静岡県が見えています

00:05:29,279 --> 00:05:31,559

そして前方に東京

00:05:31,560 --> 00:05:34,710

広大な関東平野が見えてきました

00:05:34,711 --> 00:05:40,035

そのほとんどが都市や田畑に埋め尽くされています

00:05:45,480 --> 00:05:47,542

東北に入ります

00:05:47,543 --> 00:05:53,054

会津や仙台の上空を通過します

00:05:57,283 --> 00:06:00,712

今盛岡の上空です

00:06:04,174 --> 00:06:09,063

青森を越えて、津軽海峡を渡ります

00:06:13,341 --> 00:06:17,267

そして北海道に上陸

00:06:17,268 --> 00:06:19,268

今札幌上空

00:06:19,269 --> 00:06:27,452

北海道といえども都市や田畑の面積が多くを占めていることに注目してください

00:06:30,682 --> 00:06:37,559

それではアラスカ上空を同じ高度と同じ速度で通過してみましょう

00:06:37,560 --> 00:06:42,000

ベーリング海側から入ります

00:06:42,001 --> 00:06:50,557

天然の森の色分けはしていませんが、この広大な面積の99%以上が原野です

00:06:50,558 --> 00:06:54,329

今ユーコン川が見えてきました

00:06:54,330 --> 00:07:00,866

広大な湿原の中を大きく蛇行しているのが分かります

00:07:02,295 --> 00:07:04,885

都市や田畑は見当たりません

00:07:04,886 --> 00:07:11,142

道や鉄道も、日本のような林道も見当たりません

00:07:12,001 --> 00:07:15,741

右手前方にやっと小さな町が見えて来ました

00:07:15,742 --> 00:07:19,979

人口六万人のフェアバンクスです

00:07:40,514 --> 00:07:49,102

日本とアラスカで人間が介在しない手付かずの自然が占める面積を比較してみましょう

00:07:49,103 --> 00:07:54,427

アラスカの全面積は約150万平方キロメートル

00:07:54,428 --> 00:08:00,871

日本の全面積は約38万平方キロメートル

00:08:00,872 --> 00:08:08,402

地図上の面積とグラフ状の面積が同じになるように大きさを調整しています

00:08:08,403 --> 00:08:13,355

アラスカを占める町や田畑の面積は1%未満

00:08:13,356 --> 00:08:18,836

0.1%未満と書かれている資料もあります

00:08:18,837 --> 00:08:24,379

残りの99%が人の手の関わらない原野です

00:08:24,380 --> 00:08:35,763

道路や鉄道なども極端に少ないため、動植物にとって自由に移動できる分断されていない一つの大きな原野になっています

00:08:35,764 --> 00:08:37,764

日本はどうでしょうか

00:08:37,793 --> 00:08:42,516

町や田畑などが34%を占めます

00:08:42,516 --> 00:08:46,007

残りの66%が森林です

00:08:46,008 --> 00:08:53,072

多いと思ったでしょうか、それとも少ないと思ったでしょうか

00:08:55,988 --> 00:09:03,766

その森林の内46%が木材生産のためのスギやヒノキなどの人工林です

00:09:03,767 --> 00:09:10,396

残りの54%が二次林を含む天然林です

00:09:13,234 --> 00:09:24,951

さてその天然林ですが、先程の動画で分かるように細かく分断されており、動植物の移動が町や道路によって妨げられています

00:09:24,952 --> 00:09:31,706

一番大きな分断されていない一塊の天然林は何処でしょうか

00:09:31,707 --> 00:09:36,659

おそらく北海道の大雪山国立公園でしょう

00:09:36,659 --> 00:09:42,512

その面積は天然林の1.6%です

00:09:55,757 --> 00:10:03,132

人間が関与せずそして分断されていない土地は生物多様性にとって必須です

00:10:03,133 --> 00:10:12,403

日本とアラスカでその面積を円の大きさとして見比べてみると、その規模の違いが分かります

00:10:15,706 --> 00:10:21,123

ユーコン川の源流は氷河の水が溜まった湖です

00:10:21,154 --> 00:10:25,018

私の旅はそこから始まりました

00:10:25,019 --> 00:10:32,518

まるで数珠のように幾つもの湖が細い水路で繋がっています

00:10:32,519 --> 00:10:43,188

湖はとても大きいので、四つの湖を抜けてやっと流れのある川へと辿り着くまでに、二週間以上かかりました。

00:10:43,188 --> 00:10:49,476

そのスタート地点となるベネット湖の場所を見てみましょう

00:10:49,477 --> 00:10:52,192

まずは日本

00:10:54,001 --> 00:10:58,331

そして太平洋を越えてカナダへ

00:11:07,876 --> 00:11:11,398

そしてベネット湖へ

00:11:13,975 --> 00:11:20,263

緑色のテントのマークは私が野営した場所です

00:11:20,264 --> 00:11:27,049

赤い線が私が実際にカヤックを漕いだ軌跡です

00:11:45,375 --> 00:11:52,875

遠方の山が白く氷河に覆われています

00:11:52,876 --> 00:11:58,977

氷河が溶けて湖を形成しているのが分かります

00:12:02,518 --> 00:12:08,992

このベネット湖の大きさが掴みにくいので、関東平野と比べてみましょう

00:12:08,993 --> 00:12:16,865

関東平野を重ねてみるといかに湖が大きいかが分かります

00:12:20,220 --> 00:12:26,197

実際にその場所を私が撮影した動画で見てみましょう

00:13:30,797 --> 00:13:33,325

いい朝

00:13:33,326 --> 00:13:38,029

6月2日、午前6時

00:13:47,190 --> 00:13:51,055

聞こえてるかな、この音

00:15:13,469 --> 00:15:20,130

ユーコン川の中流域にユーコンフラットと呼ばれる領域があります

00:15:20,131 --> 00:15:24,989

名前の通りフラットな平な場所です

00:15:24,990 --> 00:15:31,433

山に囲まれた窪地に川が運んできた土が堆積してできた平野

00:15:31,434 --> 00:15:35,702

日本で言えば山梨県の甲府盆地のようなもの

00:15:35,703 --> 00:15:39,350

その場所がここです

00:15:56,065 --> 00:16:02,632

傾斜の強さを色で表すと、全く傾斜の無い平な場所が見えてきます

00:16:02,633 --> 00:16:06,746

そこがユーコンフラットです

00:16:08,632 --> 00:16:16,287

甲府盆地と同じような盆地とも言えますが、しかしそのスケールは大きく異なります

00:16:16,288 --> 00:16:20,463

何とその面積は甲府盆地の100倍

00:16:20,464 --> 00:16:24,825

周囲の山は地平線に隠れて見えません

00:16:24,826 --> 00:16:29,343

カヤックで縦断するのに二週間はかかります

00:16:29,344 --> 00:16:33,395

見比べてみましょう

00:16:34,233 --> 00:16:38,159

ユーコンフラットに甲府盆地を重ねてみます

00:16:38,160 --> 00:16:45,659

すると甲府盆地どころか関東平野から名古屋まで入ってしまいました

00:16:46,551 --> 00:16:56,381

ユーコンフラットは東西に約290km南北に約190kmも広がっているのです

00:16:58,175 --> 00:17:06,171

ユーコンフラットを生みその中央を流れるユーコン川の上空を飛んでみましょう

00:17:27,482 --> 00:17:34,235

緑色のテントのマークが私が野営した場所です

00:17:34,236 --> 00:17:45,681

広大なユーコンフラットの平野の中で、ユーコン川が網のように複雑な流れを作っているのが分かります

00:17:45,681 --> 00:17:51,689

川幅は広いところで2キロメートルほどもあります

00:17:51,690 --> 00:18:01,892

スケール感が分かりにくいので、同じ高度と同じアングルで関東平野と見比べてみましょう

00:18:36,818 --> 00:18:55,329

流れが複雑なので水の上のカヤックの視点からでは何処が本流なのか見極めるのが難しく、流れの浅い支流に迷い込んで座礁しないようにするのが大変でした

00:19:07,341 --> 00:19:15,928

ユーコン川のスケールが日本の川とは比較にならないほどに大きいことが分かります

00:19:15,929 --> 00:19:21,751

荒川とその大きさを比べてみてください

00:19:27,709 --> 00:19:38,626

川の両サイドの湿原に、昔川が流れた跡が三日月湖となって無数に残っているのが見えるでしょうか

00:19:38,627 --> 00:19:45,256

これが自然のままに流れる本来の川の姿です

00:19:48,959 --> 00:19:54,128

何処までも平なユーコンフラットが続きます

00:21:24,997 --> 00:21:33,024

では実際に私がそこでカヤックを漕ぎ撮影した映像を見てみましょう

00:21:33,025 --> 00:21:36,268

7月23日の行程です

00:21:39,349 --> 00:21:43,679

この赤い軌跡が実際に私が漕いだルート

00:21:43,680 --> 00:21:47,731

ユーコンフラットの入り口にあたります

00:21:49,382 --> 00:22:00,889

この映像は周囲360度を撮影するために、右側だけを漕いでカヤックをわざと旋回させています

00:22:06,733 --> 00:22:15,350

山や丘などの起伏は一切見えず、世界は地平線だけで囲まれています

00:22:44,095 --> 00:22:48,518

2日後の7月25日

00:23:12,292 --> 00:23:20,600

ユーコンフラットに入ってから3日目ですが、山や丘などの起伏は未だ一切見当たりません

00:23:20,601 --> 00:23:27,137

民家や道路や田畑などもなく平な原野だけが広がります

00:23:27,138 --> 00:23:34,047

この地平線だけしかない世界が2週間ものあいだ続くのです

00:24:15,523 --> 00:24:22,090

川の水には微細なシルトが浮遊していて、1センチ下が見えません

00:24:22,091 --> 00:24:35,110

広い海の中を黒潮がまるで川のように蛇行しながら流れているように、だだっ広い川の中で本流という川が蛇行しながら流れています

00:24:35,111 --> 00:24:43,107

しかしそれは目で見て分かる物ではなく、経験による感に頼るしかありません

00:24:43,108 --> 00:24:56,417

もし本流を見逃して浅い支流に迷い込んでしまうと、そこから脱出することは出来ず、座礁して水圧にカヤックが押し潰されてしまいます

00:25:09,752 --> 00:25:19,706

浅瀬に乗り上げた倒木の横を、周囲をよく見渡しながら慎重にゆっくりと通り過ぎます

00:25:35,810 --> 00:25:44,179

第二章として「インプットとアウトプット」というテーマで話を進めます

00:25:44,184 --> 00:25:52,274

インプットがあり、そしてアウトプットが発生する、機械とはそういう物ですね

00:25:52,275 --> 00:25:58,842

センサーからのインプットに応じてアウトプットとしての動作が決まる

00:25:58,843 --> 00:26:02,707

単純な昆虫なども同じです

00:26:02,707 --> 00:26:14,479

触覚が右方向に餌の匂いを発見する、というインプットに対して、右方向に進路を取る、というアウトプットが生まれる

00:26:14,480 --> 00:26:20,426

遥かに複雑な人間であっても基本は同じと言えます

00:26:20,427 --> 00:26:37,743

親から友達から社会から学校から受け取る経験というインプットに対してその人の個性が生まれ、どのような思考や活動を取るかというアウトプットが生まれる

00:26:37,744 --> 00:26:58,416

そのように捉えると、クリエイティブな活動をしたければ、豊かなアウトプットを生み出したければ、自分にどのようなインプットを与えるのか、すなわち自分にどのような経験を与えるのか、そのことがとても重要であることが分かります

00:26:58,417 --> 00:27:17,054

「なんだ、そんなことは当たり前じゃないか」と思うかも知れませんが、その辺りをもし深く探ってみたければ、自由意志について今現在科学者がどのように捉えているか調べてみて下さい

00:27:17,055 --> 00:27:33,097

豊かなアウトプットを生み出したければ、今いる見慣れた環境から一歩外へと飛び出し、想像だにしなかった世界を見て聞いて感じて考える必要があるということでしょう

00:27:36,452 --> 00:27:51,916

でも何もわざわざ外の世界を経験しなくても、すなわちインプットなど必要とせずに、頭の中だけで豊かな創造を豊かなアウトプットを生むことは出来ないのでしょうか

00:27:51,917 --> 00:28:00,379

持って生まれた才能さえあれば体験や学習など必要としないのではないでしょうか

00:28:00,399 --> 00:28:04,139

私はそうではないように思います

00:28:04,140 --> 00:28:35,267

例えば特定の計算やスケッチや空間把握などで常人を超えた才能を生まれながらに持っていたとしても、それは動物として祖先から引き継いだ基礎能力が突出したものであって、確かにそれらは素晴らしいものではありますが、より高次な創造性はさらにその先で人間特有の脳が学習していくものなのではないでしょうか

00:28:35,268 --> 00:28:39,008

人類は変化を続けています

00:28:39,009 --> 00:28:53,778

環境破壊などの面ではその変化は今のところ退化とも言えそうですが、世界や自分への理解を急速に深めているという面では進化と言えるでしょう

00:28:53,779 --> 00:29:06,995

自分とは何かを理解できる脳科学も近年急速に発達し、今や医療に留まらず社会の在り方にすら深く影響を与えつつあります

00:29:06,995 --> 00:29:15,426

そこでインプットの重要性という議論を脳科学を軸に捉えてみます

00:29:15,427 --> 00:29:21,870

ホモサピエンスの脳は大きく二つに分けて考えることができます

00:29:21,871 --> 00:29:32,136

祖先の動物から引き継いだ、我々の行動や感情の大部分を生み出し、生命としての根幹を成す部分

00:29:32,136 --> 00:29:37,137

爬虫類や他の哺乳類と共通な部分です

00:29:37,138 --> 00:29:47,180

そして人間だけが大きく肥大させた、自己の認識やコントロール、論理的思考などを生み出す部分

00:29:47,180 --> 00:29:52,342

おでこの裏にある前頭前皮質です

00:29:52,343 --> 00:30:00,000

そのどちらもが貴方そのものであり、どちらか一方に重点を置くことは出来ません

00:30:00,001 --> 00:30:04,890

どちらも豊かにする必要があるのです

00:30:04,891 --> 00:30:11,241

ではそれぞれにどのようなインプットが求められているのでしょうか

00:30:11,242 --> 00:30:25,048

まずは次の第三章で、祖先の動物から受け継いできた脳の方を、そして第四章で、人間特有の脳の方を取り上げていきます

00:30:30,001 --> 00:30:39,178

第三章として「貴方と貴方の体が知らない世界」というテーマで話を進めます

00:30:39,179 --> 00:30:43,167

ホモサピエンスの歴史を振り返ってみましょう

00:30:43,168 --> 00:30:48,461

その誕生は約20万年前と言われています

00:30:48,462 --> 00:30:59,689

それから長いあいだ原野の中で狩猟採集生活を、農耕が始まってからも原野のある環境の中で生きてきました

00:30:59,690 --> 00:31:07,255

産業革命が起こり原野から隔離された都市生活が始まったのは250年前

00:31:07,256 --> 00:31:16,464

20万年ものあいだ原野と共に生きてきたのに対して、都市生活はたったの250年です

00:31:16,464 --> 00:31:22,192

その歴史から考えればまだ瞬間の出来事です

00:31:22,192 --> 00:31:37,769

現代では「原野」といえば特殊な環境をさす言葉となってしまいましたが、ホモサピエンスの歴史の中では「都市」よりも「原野」のほうが普通のことなのです

00:31:37,770 --> 00:31:52,322

人類は20万年もの間、いやそれどころか哺乳類という枠で考えれば2億年もの間、原野での生活に適応しながら進化し続けてきた体と脳

00:31:52,323 --> 00:31:57,958

それをたったの250年で変えるようなことはできません

00:31:57,959 --> 00:32:05,831

その間たったの12世代では、進化と呼べるような遺伝子の変化は生じません

00:32:05,832 --> 00:32:13,034

私達の体と脳は、いまだに原野の中で生きるように出来ています

00:32:13,035 --> 00:32:18,670

それを象徴するかのような事象は肥満の問題です

00:32:18,671 --> 00:32:26,698

動物や狩猟採集生活者は、次はいつ食事にありつけるのか何の保証もありません

00:32:26,699 --> 00:32:36,466

体と脳は原野で生き延びようと、貴重なカロリー摂取という千載一遇の機会を逃すわけがありません

00:32:36,467 --> 00:32:47,663

高カロリーで美味しい油や砂糖が一杯の食料を見つけると、他の誰かに取られる前に飛びつき頬張れと、脳は命令を下します

00:32:47,664 --> 00:32:55,443

将来病気を導いて寿命を縮める結果になろうと、そんなことにはお構いなしです

00:32:55,444 --> 00:33:03,533

それらが安易に手に入る現代社会には、脳と体は適応していないのです

00:33:03,534 --> 00:33:16,004

それと同様に、原野の中で生き延びるために不可欠であった鋭く繊細な感覚器官も、失われることなく持ち続けているはずです

00:33:16,005 --> 00:33:26,083

何故ならばそれらが退化するには250年という期間はあまりにも短すぎるのです

00:33:27,598 --> 00:33:38,142

大きな刺激に溢れかえっている都会にはない繊細で豊かな情報が、原野の中には、大自然の中には溢れている

00:33:38,143 --> 00:33:50,427

そこに行けば、私達の中で本人にすら知られることなく出番を待ち続けている繊細な感覚が、眠りから目覚めそれらを受け取ってくれる

00:33:50,427 --> 00:33:53,794

そう思いませんか

00:33:53,795 --> 00:34:01,356

もしその豊かなインプットを受け取ったならば、アウトプットはどうなるのでしょうか

00:34:01,357 --> 00:34:05,687

残念ながら自然の破壊は進んでいます

00:34:05,688 --> 00:34:13,250

皆さんがそれを体験したくても、原野が身近に存在しないためにとても困難です

00:34:13,250 --> 00:34:21,681

しかし直接体験できなくても、知っていることはとても大切です

00:34:25,977 --> 00:34:32,637

目印もないのに大海原を超え、大陸から大陸へと移動する渡り鳥

00:34:32,638 --> 00:34:38,584

そのように動物の感覚がとても優れていることは知っていると思います

00:34:38,584 --> 00:34:42,000

そして人間も変わらぬ動物です

00:34:42,001 --> 00:34:47,232

まずは動物の神秘を直接見て、感動してみませんか

00:34:47,233 --> 00:34:51,656

世界には百万種類もの動物がいます

00:34:58,036 --> 00:35:01,869

原野ではこんな経験をします

00:35:01,870 --> 00:35:08,002

友達と二人で川を下り、別々のカヌーを漕いでいました

00:35:08,003 --> 00:35:15,533

友達は遠く数百メートルも離れてしまい、点にしか見えなくなりました

00:35:15,534 --> 00:35:20,921

「ちょっと待ってくれよ、その先で上陸してくれ」

00:35:20,922 --> 00:35:28,514

驚いたことにそんな距離でありながら普通の声量で会話が出来たのです

00:35:31,549 --> 00:35:34,139

またこんな経験もしました

00:35:34,140 --> 00:35:37,196

カナダを漕いでいた時のことです

00:35:37,197 --> 00:35:43,236

テントで寝ている時にジェット戦闘機の爆音を聞きました

00:35:43,237 --> 00:35:47,225

カナダの空軍が演習でもしているのだろう

00:35:47,226 --> 00:35:50,313

あまり気にせずそのまま寝ました

00:35:50,313 --> 00:35:54,000

しかし翌朝起きてびっくり

00:35:54,001 --> 00:36:07,124

終着点の村が近づいてきたので、何キロも離れた丘の上に線にしか見えない道路があったのですが、その上をたった一台の車が走っていました

00:36:07,125 --> 00:36:11,828

トラックではありません、普通乗用車です

00:36:11,829 --> 00:36:18,800

何とそのタイヤがアスファルトの上を転がる音だったのです

00:36:24,642 --> 00:36:30,246

なにも私の耳が特別に素晴らしい訳ではありません

00:36:30,247 --> 00:36:36,162

皆さんも原野の中で独り過ごせば、自分の変化に気付くはずです

00:36:36,163 --> 00:36:40,214

経験上三日は必要ですが

00:36:40,215 --> 00:36:49,004

人間の耳は自分が思っているよりも遥かに広いダイナミックレンジを持っているのでしょう

00:36:49,004 --> 00:37:03,726

自分の耳もまた動物のそれと同じであり、遥かに繊細な空気の振動ですら感じとることが出来るのだと言うことに、我々が気付いていないだけなのでしょう

00:37:03,727 --> 00:37:10,884

我々の近代生活は、大きくて刺激的な音や情報に埋もれています

00:37:10,885 --> 00:37:19,596

生まれてこの方その世界が普通なため、音のない、情報がない世界に不安すら感じます

00:37:19,597 --> 00:37:26,351

公園を散歩しているのにラジオを鳴らしっぱなしにしている人も見かけます

00:37:26,352 --> 00:37:37,611

何もなく静寂で単調な原野の中で何日も過ごすなど、怖くて退屈極まりないと想像します

00:37:37,612 --> 00:37:48,871

しかしながら原野の中には、飽きることなく移り変わる、繊細だがとても豊かな情報に、世界に満ちあふれています

00:37:48,871 --> 00:37:59,384

いちどそれを知ってしまうと、都会の単調な繰り返しでしかないありように、逆につまらなさを感じるほどです

00:37:59,385 --> 00:38:20,523

そのことは、例えば地球の磁場を感じる鳥の世界観を私達は決して理解し得ないように、この原野の音の世界がもたらす世界観もまた、あなたが体験しない限りやはり理解が難しいことだと思います

00:38:20,524 --> 00:38:32,802

さて皆さんは、音で見る空間の感覚を体験したことはありますか?それはどのようなものでしょう

00:38:37,368 --> 00:38:44,712

ところで、私が話す上でも、そしてみなさん自身も一つ気を付けておきたいことがあります

00:38:44,713 --> 00:38:50,317

それは科学の枠組みの中で考え、体験することです

00:38:50,318 --> 00:39:00,000

超自然的な何かの存在や、何かの超感覚、またドラッグが生み出す幻覚の類と混同してはなりません

00:39:00,001 --> 00:39:06,320

それらを誤って追い求めても、真の創造的な仕事はできないでしょう

00:39:06,320 --> 00:39:20,561

しかし感覚は主観的な経験であり、計測機器などで測定し科学として扱うことは困難であるため、論理的に考え、十分気を付けなければなりません

00:39:25,701 --> 00:39:35,033

第四章として「知覚を超えた認識」というテーマで話を進めます。

00:39:35,034 --> 00:39:46,914

前章では、人間は他の動物と殆ど変わらない、人間は他の動物と同じような感覚を持っているのだと伝えました

00:39:46,915 --> 00:40:01,125

しかしまた同時に、人間は他の動物とは全く異なる存在でもあります。

00:39:55,178 --> 00:40:01,044

遥かに肥大化した前頭前皮質という脳組織を持っているのです

00:40:01,044 --> 00:40:06,233

ここに人間らしい様々な機能があります

00:40:06,233 --> 00:40:13,350

論理的に物事を考察することが出来るようになったのも、そのうちの一つです

00:40:17,439 --> 00:40:22,371

アラスカは、その一部が北極圏に入ります

00:40:22,819 --> 00:40:37,057

北極圏とは、夏になると太陽が全く沈まない白夜となる、そして冬は全く太陽が昇らない、北極を中心とした真円の領域です

00:40:38,236 --> 00:40:41,343

今赤道を見ています

00:40:41,344 --> 00:40:45,439

北上するとアラスカがあります

00:40:49,010 --> 00:40:54,242

そのアラスカは北極圏に接しています

00:40:57,364 --> 00:41:05,348

次の映像はほぼ白夜の6月のカナダで私が撮影したものです

00:41:13,025 --> 00:41:19,423

ユーコン川は北極圏の一部と、そしてその僅か下を流れています

00:41:19,424 --> 00:41:28,007

カヤックが漕げるのは、川の氷が溶けている春夏秋の三ヶ月間

00:41:28,007 --> 00:41:34,735

6月7月は夜空の無いほぼ白夜の日々が続きます

00:41:34,736 --> 00:41:45,204

たとえ夜中と言える時間であっても明るいので、昼夜関係なく好きなときに、都合の良いときに行動できるのです

00:41:45,205 --> 00:41:57,469

ただでさえ毎日キャンプで時計のいらない生活なのに、昼夜の境がなくなったので、一日、24時間も意味を持ちません

00:41:57,470 --> 00:42:04,228

二ヶ月もの間続く、一日のない世界

00:42:06,459 --> 00:42:08,848

夜の11時半

00:42:11,351 --> 00:42:15,416

星空を見ることがない

00:42:15,416 --> 00:42:20,977

途切れることなく続く夕日と朝日

00:43:45,578 --> 00:43:49,583

ユーコンフラットには地平線しかありません

00:43:49,584 --> 00:43:58,550

人も町も畑も牧場も鉄道も道路も何もありません

00:43:58,551 --> 00:44:02,167

もちろんスマホも繋がりません

00:44:02,168 --> 00:44:23,728

上半分の半球には空、下半分の半球には水、そして森の薄い層が成す360度を取り囲む地平線、ただそれだけです

00:44:23,729 --> 00:44:30,127

世界には線しかないから比較対象もありません

00:44:30,128 --> 00:44:35,749

川は長いのか、それとも短いのか

00:44:35,765 --> 00:44:40,368

俺は大きいのか、それとも小さいのか

00:44:40,369 --> 00:44:47,216

そんなことは比べる相手がいないから意味を成しません

00:44:49,201 --> 00:44:56,796

二週間もの間続く地平線しか無い世界

00:45:14,712 --> 00:45:17,178

アラスカを漕ぐ

00:45:17,178 --> 00:45:20,523

ユーコンを漕ぐ

00:45:20,523 --> 00:45:25,186

白夜の一日のない世界を漕ぐ

00:45:25,187 --> 00:45:30,000

そこは時間の概念が失われた世界

00:45:30,000 --> 00:45:35,172

遮るもののない地平線しかない世界を漕ぐ

00:45:35,173 --> 00:45:40,345

そこは空間の概念が失われた世界

00:45:40,346 --> 00:45:44,261

時空の概念が失われた世界を漕ぐ

00:45:44,262 --> 00:45:50,391

そこでは何を見て何を感じるのでしょう

00:45:52,936 --> 00:46:02,955

実際自分がどのくらいの間この川を漕いでいるのかその実感は変わり、まるで千年も漕いでいるようでした

00:46:02,955 --> 00:46:17,193

アクシデントに巻き込まれると世界がスローモーションになるように、また薬物でも変化するように、人間の時間感覚はそもそも確固たるものではないようです

00:46:17,194 --> 00:46:26,196

はたして時間とは何者なのか、それともそもそも幻なのでしょうか

00:46:37,074 --> 00:46:41,707

水と空と地平線しかない

00:46:41,708 --> 00:47:02,529

自分の大きさを定義する相手、自分のいる場所を定義する相手、そんな時間と空間の相対的な尺度が失われるからなのか、実際、世界に対する私の存在という感覚が変わってくるように覚えました

00:47:02,530 --> 00:47:18,892

そしてまた考えされられます。もしかしたら私という自我の意識は、他人の存在があって、社会という存在があって、初めて生まれ出るのではなかろうか

00:47:22,981 --> 00:47:31,205

しかし実際に物理的な時間や空間がそこで変化している訳では全くありません

00:47:31,205 --> 00:47:35,688

物理法則は宇宙の何処でも普遍です

00:47:35,689 --> 00:47:42,596

東京と全く同じ時空が、やはりアラスカにも存在している

00:47:42,596 --> 00:47:48,456

変わったのは、私の中でのその捉え方

00:47:48,457 --> 00:47:55,633

じゃあ、こんな体験は意味がないのでしょうか

00:47:55,634 --> 00:48:03,409

夜空に天の川を眺めて、宇宙を不思議に思ったことはありませんか

00:48:03,409 --> 00:48:10,346

原野の中で、時間と空間を不思議に思ったことがありませんか

00:48:10,347 --> 00:48:17,853

科学が多くのことを解き明かした現代であっても、未だにこの宇宙は不思議なところです

00:48:17,853 --> 00:48:25,239

尽きることのない謎に満ち溢れており、科学者はいまだに追い続けています

00:48:25,239 --> 00:48:36,000

その謎に興味を覚え、追求し、創造的な仕事をしているのが、人類の進化した前頭前皮質です

00:48:36,001 --> 00:48:45,990

当たり前だと思っている世界の奥底に潜む不思議を見つけだせることが、人間の素晴らしさです

00:48:45,991 --> 00:48:56,190

紀元前500年ごろ、空間という概念に気づいた人類は、遠近法という絵画の手法を発明しました

00:48:56,191 --> 00:49:07,437

いまとなっては当たり前であり誰もが理解していることですが、当時は大きく概念が変わる出来事だったことでしょう

00:49:08,223 --> 00:49:14,532

20世紀初頭には、アインシュタインが相対性理論を発見しました

00:49:14,533 --> 00:49:27,875

この世は時空がねじ曲がった世界であるというのですが、それは人間にはもう直感的に理解するのが不可能な概念であり、世界を大きく変えました

00:49:27,875 --> 00:49:37,864

いまとなっては当たり前の事実であり、この理論なしには携帯電話の一つですら作れないのですが

00:49:40,751 --> 00:49:47,149

前頭前皮質をフルに活動させ、世界の不思議に思いを馳せる

00:49:47,150 --> 00:49:53,848

それがどのような形でこの先の私達の活動に結びつくのでしょうか

00:49:53,849 --> 00:50:00,636

それがどのような形でこの先の社会に役立つのでしょうか

00:50:00,785 --> 00:50:04,042

それは誰にも分かりません

00:50:04,043 --> 00:50:08,556

分からないことだから、誰も教えてくれません

00:50:08,557 --> 00:50:12,442

自らが追求する必要があるのです

00:50:12,442 --> 00:50:15,100

孤独の作業です

00:50:15,101 --> 00:50:18,148

何の保証もありません

00:50:18,149 --> 00:50:28,318

しかしそれが創造という人類に求められた仕事なのであり、だから称賛すらされるのです

00:50:28,319 --> 00:50:35,376

そして誰にも分からないから面白いのです

00:50:35,377 --> 00:50:45,037

不思議を実感するために、原野の中に出かけましょう