2014/11/29

停滞

雨がテントをパンパパンと叩く音が昨夜から鳴っていて、今日は一日中止むことがな
い。歩かずに天候回復を待つ。

There is a sound of rain drop hitting the tent wall from last night.
Therefore I am waiting the rain to stop, staying same place two night.

2014/11/27

野営

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accum. distance [Km]: 969.5

ここで野営。

Here, I've pitched a tent.

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accum. distance [Km]: 968.0

薄い月が銀色に凍る空を、鶴が西から東へと渡る。夕焼けに映える北上山地に、涙し
て鳴きながら。

北上山地

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accum. distance [Km]: 949.5

朝靄纏う北上山地

イーハトーブ

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accum. distance [Km]: 948.5

夜明けのイーハトーブ

2014/11/26

林檎の蜜

林檎の蜜について、農研機構果樹研究所に聞いてみた。

蜜の部分には糖の一種であるソルビトールが多く含まれるので、あまり甘くない。し
かしフジなどの蜜が多く入る品種では、成熟が進むと蜜が増えるので、蜜の周囲は甘
くなっている、とのこと。

なるほどね。正しい知識はもう少し複雑であった。

林檎の蜜

一般的に、林檎は蜜が多いほど甘くて美味しいと信じられているようだ。しかし、青
森、岩手と歩いて林檎を沢山貰い、また安いので買い、いちいちナイフで皮など剥い
ていられないので丸ごと食べている経験からすると、一番甘いのは皮に近いところ
で、蜜のところは水っぽい。売っているおばちゃんも、蜜が甘いというのは間違いで
あり、また出荷時期が遅くなると蜜が入ってしまうので早めのほうが美味しい、と言
っていた。なのにである、岩手の生活情報紙には、林檎の出荷基準として、蜜入り指
数を光センサー選果機で測定する、と書いてある。はてさて正しい情報とはなんであ
ろうか。誤った情報をメディアが気付かず使い回しているのであろうか?それとも蜜
が水分でなく糖分である品種が存在するのであろうか?

2014/11/25

石鳥谷

三月

宮沢賢治

今夜も、白鳥が鳴きながら、テントの上空を飛ぶ。

宮沢賢治の生地である花巻まで南下した。石鳥谷にて野営する。

明日もいつものように日の出前に起きよう。雨ニモ負ケズ、風ニモ負ケズ。

花巻

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accum. distance [Km]: 945.1

花巻の田は水引かれ
遥かな岩手山の
蒼い風に吹かれて雪待つ

流れ

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accum. distance [Km]: 945.0

花巻

2014/11/24

銀河鉄道

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accum. distance [Km]: 933.8

右側の手に届きそうなところに山脈が走り、左側の手に届きそうなところにも山脈が
走っている。北上川が運んだ土が堆積したこの盆地は、細長く、平たく、何処までも
南に延びていて、その先を見通すことは出来ない。空を渡る鶴や白鳥には、その帯状
の盆地が、よりはっきりと認識できるだろう。天の川のように横たわる北上盆地が。
この地に走る軽便鉄道に揺られれば、銀河鉄道の夢を見るのかもしれない。天の川で
鶴を捕まえるのだろう。

I'm gonna sleep here.

2014/11/23

Swan

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accum. distance [Km]: 920.7

鳴き交わし羽ばたく白鳥のコミュニケーションは、昼も夜も一日中続く。その音に包
まれて、僕はテントの中で眠る。彼らが夏を過ごすシベリアを思い描きながら。

今日は停滞。

Hearing song of swan, I sleep in the tent. I imagine Siberia they spend in
summer.

2014/11/22

翼を

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accum. distance [Km]: 920.7

さあ、シベリアの話を聞かせておくれ

夜は長い

僕は一晩ここにいるから

盛岡

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accum. distance [Km]: 917.0

盛岡市、現れる。

Morioka City

初めての床屋

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accum. distance [Km]: 914.7

北海道、青森と歩いて、岩手で初めて床屋に入る。髪を短く切り、髭も剃った。知ら
なかったよ、床屋が天国だとは。

岩手山

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accum. distance [Km]: 906.8

朝日に浮かぶ岩手山
我も白鳥も、この山眺めて
道を知る

2014/11/21

石川啄木

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accum. distance [Km]: 905.8

やはらかに柳あをめる
北上の岸邊目に見ゆ
泣けとごとくに

石川啄木の地、岩手県渋民にある、歌碑の脇で今夜は眠る。

北上川が足元を流れ、水の音が聞こえてくる。北上川の向こうには、雪化粧をした岩
手山が聳え立つ。歌碑に刻まれた啄木の歌を詠めば、五羽の白鳥が鳴き交わしながら
飛来して、岩手山へと重なった。

その瞬間をシャッターで切り取った。

干し柿

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accum. distance [Km]: 902.6

通りすがりの民家の人に、甘くて美味しい干し柿のブランデー漬けと、林檎とお菓子
とお茶をご馳走になった。

岩手山に見守られての旅である。

旧道

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accum. distance [Km]: 897.4

北海道は町の歴史が浅いから、国道を外れて細い道に入ると、いずれ行き止まりにな
ったりするので、歩けない。本州では、国道を外れて旧道に入っても、いずれ国道に
戻れる。旧道では、古い町並みが楽しめ、静かな道が歩けてよいのだ。

日本の美

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accum. distance [Km]: 895.0

里に流れし北上川
雪をかぶりて岩手山
日本の美に心奪われ

Mt. Iwate and Kitakami River.

夜明け

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accum. distance [Km]: 891.6

午前6時半。テント内−4度。

AM 6:30, -4 ゜C in the tent.

2014/11/20

北上川

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accum. distance [Km]: 891.6

今日、北上川の源流を通過した。奥州街道を南下しているので、これからこのまま北
上川に沿って下流へ下流へと歩くことになる。何度か河川敷で寝ることにもなるだろ
う。川は好きだ。その好きな川を道連れにして旅ができるとは、なんとも頼もしい。

I'm gonna pitch the tent in Michinoeki.

おばちゃんの朝食

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accum. distance [Km]: 878.7

小繋駅の待合室のおばちゃんが作ってくれた、愛情たっぷりの、タラと牛肉とおにぎ
りの朝食を食べる。

I eat a breakfast which a lady I met last night made for me.

−3℃

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accum. distance [Km]: 876.0

午前8時、−3度。

AM 8, temperature is -3゜C.

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accum. distance [Km]: 874.6

凍った水溜まり

Ice

2014/11/19

待合室

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accum. distance [Km]: 873.3

日没前、寝る場所を探して、小繋駅前の三軒しかない小さな集落にある商店に立ち寄
った。おばさんが食事を作ってくれて、二三時間話し込む。

おばさんが毎日掃除する駅の待合室。そこには旅人の書き込み帳、「命のノート」が
置かれている。おばさんは、この地を訪れた旅人達の、様々な人生模様を語ってくれ
た。

知らずに訪れたが、小繋駅で展開するおばさんと旅人達のドラマは、「待合室」とい
う映画となって、ここで撮影され、公開されたそうだ。

今夜は、テントを張ろうと思えば張れるのだが、人の思いが重なり、この待合室で寝
ることになった。

歩行者専用トンネル

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accum. distance [Km]: 872.4

歩行者専用トンネルの小繋歩道トンネル。昔の鉄道用トンネルではないかな。

Tunnel for only walker.

観音堂の藤

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accum. distance [Km]: 867.3

観音堂の藤
根元周囲1.2メートル

Wisteria of Kannondo.
Circumference of root is 1.2 meter.

集落

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accum. distance [Km]: 866.8

静かな山間の集落
畑も終わり冬にそなえる

Village

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accum. distance [Km]: 864.8

瀬の音
水の力
飛沫舞い
光跳ねる

2014/11/18

嗚呼、岩手

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accum. distance [Km]: 855.7

とうとう岩手まで来た。

長い青森であった。

しかし、青森県から岩手県に移動したとはいえ、七戸、六戸、五戸、三戸と移動して
きて、今夜は二戸、明日は一戸を通る予定なので、まだ一続きの地域の中を歩いてい
る感がある。地域性と県境も食い違っているのだろうか。

前述のように、今夜は二戸にある川沿いの公園に、テントを張った。

I have walked in Iwate prefecture. Tonight, I will sleep a riverside park
in Ninohe City.

秋の装い

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accum. distance [Km]: 849.6

林檎の木が、秋の装い。カラフルで随分とお洒落である。真っ赤な林檎のイヤリング
まで着けて。

Dressing up apple trees wearing autumn leaves.

煎餅汁

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accum. distance [Km]: 842.5

北海道を出て東北へと歩みを進めると、郷土料理という言葉が耳に入るようになって
きた。食堂のおばちゃんに頼んで、豚汁に南部煎餅を入れてもらい、煎餅汁を食べて
みる。腰のある麩のような感触で、食べごたえがある。なるほどね。

水車小屋

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accum. distance [Km]: 841.3

朝靄の水車小屋

Water mill

2014/11/17

道の駅さんのへ

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accum. distance [Km]: 838.9

「道の駅さんのへ」にテントを張る。売り場の人達が仲良くしてくれたので、今夜は
心置きなく寝られてありがたい。特に大村さんが親しくしてくれて、林檎をくれた
り、色々と言葉を交わしたりした。

「旅は情け、人は心」など旅に関する言葉は多くあるが、こうして歩いていると、言
葉が編み出された当時に戻って、今の時代ではなかなか実感しづらい言葉の意味を、
肌で理解できるような気がする。


ニンニクも青森の特産なので、黒ニンニクを生産者から直接買ってみる。一ヶ月もか
けてニンニクを熟成させているという話を聞いただけで、それは凄いな〜と感心して
しまうのであった。じっさいに食べてもうまい。

I have pitched my tent at Michinoeki Sannohe. Friendly staffs of Michinoeki
have given me a heart-ease stay.

木箱に入った林檎

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accum. distance [Km]: 836.6

農家と、木箱に入った林檎

Apples in wooden boxes in front of a farmer's house.

青森の林檎

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accum. distance [Km]: 835.2

青森ではいたるところで林檎が売られている。傷ありのサンフジが一個60円。子供の
頃、皮には農薬やワックスが付いてるから食べないほうがよいと何処かで聞いたが、
売り場のおばちゃんは、「そんなことはないよ、栄養があるし美味しいよ」と言っ
た。じっさい、皮の部分が中心部より遥かに美味い。また、ガリっとかじる音もたま
らない。

Apple is a specialty of Aomori-ken.

五羽の白鳥

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accum. distance [Km]: 834.0

街中の、護岸工事中の川で、白鳥が五羽、羽を休めている。湖などの保護区域だけで
自然を保全しても、駄目なんだよね。

霜の華

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accum. distance [Km]: 829.1

まだ太陽は山から昇らず

白く静止した朝

霜の華が辺り一面に咲き乱れている

大地と朝の挨拶を交わす

2014/11/16

秋桜

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accum. distance [Km]: 829.1

一株だけ、コスモスが咲いている。田圃の脇に咲いている。辺り一面、他のコスモス
は見当たらない。いったいどうやって、種はここまで旅してきたのか。風に揺られ
て、静かに可憐に咲いている。誰が見ずとも、誇り高く咲いている。そうだね、今夜
は僕が、君と一緒に寝てあげよう。

薄墨の風

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accum. distance [Km]: 821.4

五戸を抜ける薄墨の風
藁の山に射す光

光降り

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accum. distance [Km]: 820.3

町に光降り
空に野焼きの煙昇る

2014/11/15

生まれし者

ただその地で生きるために

吹雪のなかで草を食む寒立馬

ただその地で生きるために

古切れを裂き服を織る女

ただその地で生きるために

山から海へと岩を運ぶ男

凍える風は命の熾火を静かに燃やす

のんびり

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accum. distance [Km]: 815.1

今日は道の駅に停滞して、のんびり過ごしている。土曜日だから、特産品の販売で賑
やかだ。

南部裂織を実演していた地元の人の話だと、八戸では、雪が降る前のこの時期が、冷
たい風が吹いて一番寒いのだそうだ。

I am staying same place Michinoeki Towada two night, and am easing off.

2014/11/14

道の駅とわだ

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accum. distance [Km]: 815.1

昨夜は、この旅で三度目となる雪であった。寒気に覆われているのだろうか、日中も
気温はあまり上がらず。

今日は「道の駅とわだ」まで移動。ここにも公園があって、テントを張るのには助か
る。