2011/04/24

別寒辺牛川へ

来週から始まるゴールデンウィークを使って、北海道の別寒辺牛川へカヌーの旅に出かける。野営しながら6日間かけて上流から下流まで下り、東京から川までの往復にフェリーを使って4日間、計10日間の旅である。

北海道の東に位置する別寒辺牛湿原を流れる別寒辺牛川は、日本最後の原始の川だ。川は人間に一切妨げられることなく、湿原を、森をうねり、自分の意志で自由自在に進路を変える。鳥と魚と植物の楽園であり、丹頂鶴や幻の魚イトウや行者ニンニクがその懐に抱かれている。自由自在に流れを変える川が両岸を削り取るため無数の倒木が川に横たわり、この川をカヌーで下るということは、カヌーを倒木の上に引きずり上げ、倒木の下を無理やり潜らせることであり、僕達以外にこの川を上流からカヌーで下る人間などいないであろう。同じこの別寒辺牛川でイトウを研究している友人は、僕のことを変態カヌーイストと称してくれる。

今年でもう三度目となる。何度旅をしても魅力がまったく薄れることのないこの別寒辺牛川の記録を、旅から帰ってきたら是非とも書き記そう。この川だけは、僕が爺さんになってカヌーで下れなくなるまで、百年後まで、地球が宇宙の塵となるまで、人間の手が触れることなくこのまま生き続けてほしいのだ。

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