2014/10/31

物語

I'm Here: http://footprint.umiack.com/?map=y&id=ku90yn3ds16ksscf&ll=228
accum. distance [Km]: 568.9

昼の時間が短い。いま、六時に日が出て、四時には日が沈んでいるのである。

日照時間の短さからいえば、冬季の北海道縦走と言ってもよいだろう。冬季の意味す
るところの一つが、歩ける時間の短さだ。わずか十時間で、テントを張り、畳み、朝
昼晩と三食を食べ、食料を買い出し、次のキャンプ地を探し、そして残った時間で歩
く。日の出前は一日の中で一番気温が低く、日が沈んだあとは暗くてキャンプ地を探
すのが困難なので、夜間に歩くのはなかなか難しい。十時間行動して、なんと十四時
間はテントの中で寝袋に潜っているのである。

テントには日が当たらないので、常に夜露か霜で濡れており、ダウンの寝袋は干して
いる暇がないので、体からでる水蒸気で日増しに湿って保温力を失ってくる。

アイヌの時代まで遡ったとき、この長い夜を、人々は、物語を語り、歌い、過ごした
のだろうか。僕もなにか物語を紡ごうか。

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