UMIACK

2022/08/09

鹿児島と幻覚

 I’m just stepping into Kagoshima prefecture, the LAST ONE. There’s around 200 km left to goal.

凄い体験をした。生まれて初めての幻覚。

鹿児島の峠は真っ暗だ。ヘッドライトを消すと、黒画用紙にピンで孔を開けたようなはっきりした星々が地平線にまで見える。そして月が沈んでいたので、ヘッドライトを消すと全く何も、何かの気配すら見えなくなる。

電池節約の為にヘッドライトを一番暗いモードにしていると、世界には薄ぼんやりとした道路の白線しか浮かんでいない。午前3時ごろ、強い眠気を感じながら歩いていると、白線以外の何もない空間に幻覚が見えるようになった。歩いているから意識はしっかりとしていて、おぉぉ……幻覚だ!凄い……と思える。形ははっきりとしないし、色もはっきりしないので、小人が見えるというような具体性はない。しかし記憶の中から引きずり出してきた何らかの物であろう予感のする、これが夢であったら疑うことをしないので何かがそこに存在しているのであろう予感のする、そんな不特定の何かが空白の空間に次々と現れる。脳は刺激のない空間に映像を見ないことを得意とはしないようだ、というようなことを考える余裕はあった。

歩き続けていると、何度でも何度でも幻覚を見る。意識がそこに集中しそうになる。そして「体」もそこにフラフラと持っていかれそうになる。映画とかで見たことのある、幻覚を見ているだけではなく追いかけて山の崖から落ちようとしている、そんなやつだ。道から転げ落ちるとたいへんな事になるので、ヤバイヤバイと道路脇の安全な場所で30分睡眠を取ったら、それっきり見えなくなり、そして朝の薄明かりを迎えた。






1 件のコメント:

  1. 7月22日に長門と萩の間の道でお会いした佐藤です。
    8月2日に舞鶴からフェリー乗って3日に無事帰宅しました。
    直ぐに知り合いの神奈川県のバイクライダーさん(同じ73才)と近くの温泉キャンプ場で再会し、ようやくひと息入れています。
    九州に入ったのですね。私は熊本大地震に自転車旅で遭遇しました。
    幻覚の話しは荒行の修行僧の世界にも似ているように感じて読みました。
    HPを開いて雄大さにびっくりです。
    私には読み込めない高度なHPですが、折々楽しませてただきます。
    無事に日本縦断が完成しますようお祈りし、
    Blogを楽しみにしております。








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