2012/04/07

ザ・ケネウィックマン・エクスペディション、6日目



ケネウィックマンの骨が発見された場所を探して、マイクが貸してくれた自転車で、コロンビア川の土手を走った。道中三人ほどに訪ねてみたが、みなケネウィックマンのことは知っているものの、発見場所については知らなかった。記念碑のようなものも見つからず、この日は諦めてテントに引き返した。



夜の八時、マイクの息子のベンがテントを訪ねてきた。ベンは自転車旅行に挑戦したことがあり、僕に共感を覚えたのだという。ベンのニッサンでダウンタウンに行き、彼の友人のキャメロンとジェイコブに合流して、オープンテラスで食事とビールを楽しむ。ベンが奢ってくれた。寒くなってきたので、同じダウンタウンにあるキャメロンの家に移動したが、造形が美しいこの一軒家は、なんと1905年に建てられたという。キャメロンは、「テントは辛いだろう。この家に泊まってもいいよ」とまで言ってくれた。



年間通して雨が少なく陽光明るい、古いが良く手入れされた、静かで落ち着きある街である。年代物の車が良く似合う。

ディーゼル機関車が、長蛇の貨物を牽引して街を横断する。踏切を越えるたびに、真夜中ですら警笛を鳴らす。テントに戻って寝袋に潜り込むと、街の夜空一面に響き渡る警笛が聞こえる。ノスタルジックとしか形容できない、聞き惚れ、心安らぐ響きである。